夏の別れ

スポット屋 taka

2014年07月31日 18:07

本日、一つのお別れがあった。
インドネシアの研修生の1人が、ある事情で帰国する事になったのである。
その事情とは、5月に彼の父親が病で亡くなり、そのことで、彼はいてもたってもいられ
ない程悩み苦しみ精神的に参ってしまったということだ。その事情を打ち明けられたとき
には憔悴しきっていたようにも見えたわけだが、かといって任期を残して帰国するのには
いろいろ諸問題があり、ここ数ヶ月本人とも派遣先の担当とも幾度となく話し合いを重ね
た結果、彼の意を酌んで今日までとなったわけだ。
本来の任期は年末の12月24日迄、この状態で情状酌量で3年間の研修証明書を貰える
ぎりぎりの期限が今日というわけだ。なんとかそれを持って帰れるということが唯一の救
いではあるが、父親の闘病中にかなりの額の仕送りをしていたらしく、彼の持って帰れる
お金は正直微々たる額である。
GWにインドネシアに面接に行った際、面接での質問の一つに「日本で働いていくら貯めて、
何に使うか?」という質問を投げかけた。答えはみんな同じくらいの額(これは言えない
が、貨幣価値は日本の1/10)で、自分で事業を起こしたいという希望を述べていた。今
回の彼も、おそらくそのような夢を抱いて日本に来たであろう事は想像に難くないが、現
実このような結果になった事は、私としても痛恨の極みである。
亡くなった父親は46歳・・・俺と同じだ。つまり、俺の子と言ってもおかしくない彼の将
来を案ずる気持ちは親心といっても過言ではない。しかし、時は動いている。帰国して、日本
で、そして我が社で過ごした時間を大切な宝物として持ち帰ってもらいたいと思う。
今日は、終業時間前に少しばかり時間をとり、皆でお別れの挨拶を交わした。全員と握手
をし、けじめをもって、国に帰る事となった彼の前途を祝した。この手のぬくもりを将来
にわたって覚えて欲しい、”絆”を大切にして欲しい。今降り出した夕立は、虹の架け橋
をつくり、インドネシアまで渡っていくかのようである・・・









http://youtu.be/AlkJfTZrYAI
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